11月9日(日)「市民と政党・政治団体との対話の集い」報告(文責:藤井克彦)
【会場】名古屋市民活動推進センター集会室(1時半~4時45分)
【集会名】<政党・政治団体と市民との集い>
『集団的自衛権行使容認』『憲法改悪』を阻止するためにはどうすればいいか
【参加者】50名
【司会】池住さん
1.主催者報告(山本さん)
「第2次安倍政権の集団的自衛権行使容認及び集団安全保障への参加の動きについて」
@2011年4月、自民党「新憲法草案」発表:現行憲法と全くことなるもの。
@2012年7月、自民党「国家安全保障基本法」発表:集団的自衛権を行使する。国家秘密保護法をつくる。防衛を国民の義務にする。個別法の上位にたつ基本法とし、そのための法整備をする。武器輸出の解禁。多国籍軍などにも参戦。
@12年12月、第2時安倍内閣成立(自公連立)で、当初96条改憲を狙う反対が多く断念。「国家安全保障基本法」の成立を目指す。
@2013年11月、国家安全保障会議設置法成立:閣議決定による憲法解釈の変更にシフト。
@13年12月、秘密保護法成立。初の「国家安全保障戦略」、防衛計画大綱、中期防衛力整備計画(中期防)を発表。今法改正が問題になっているが、実際の自衛隊の軍備は「専守防衛」の枠を超えて進んでいる。例えば「いずも」のように空母と言える艦船が来年は配備されるし、中期防ではオスプレイやステルス戦闘機の配備は盛り込まれている。
@2014年4月、武器輸出三原則の事実上の解禁を閣議決定。
武器を防衛装備と言い換えてごまかす。
@2014年7月、閣議決定により「集団的自衛権行使」容認。憲法を変えないで、海外の戦争に参加できるようにする(新3要件)。
@2014年11月、日米防衛協力の指針(新々ガイドライン)中間報告発表(1978年ガイドライン。97年の新ガイドラインに沿って99年周辺事態法、03年「有事三法」(武力攻撃事態法、自衛隊法改正など)、04年「有事七法」(国民保護法、米軍支援法など)制定。新々ガイドラインは、自衛隊が地球の裏側にも行けるものといわれる。
@今後、年明けにも新々ガイドライン(日米防衛協力の指針)最終報告が発表される予定。2015年1月からの通常国会で予算成立、統一地方選挙後の5月頃から集団的自衛権行使容認の関連法案が15くらい出てきて審議をすると思われる。
2.第一部
1.「集団的自衛権行使容認閣議決定とその後の動きに対する方針」に関する各政党・政治団体からの報告
(生活の党幹事長 鈴木克昌衆議院議員は、公務で来られなくなった)
(1)社会民主党愛知県連合:代表 山登志浩さん(江南市議)
@ 社会党時代から一貫して反戦平和・護憲を掲げてやってきた。土井たか子さんが最近なくなったが、生前「このままでは大変なことになる」と言っていたが、そのことを受けとめて今後もやっていきたい。
@ 2年間の安倍政権は、右向け右で戦争への道にまっしぐら。戦争を起こさせないという外交努力をしないで、教育基本法改悪、国家安全保障会議、武器輸出解禁、秘密保護法強行採決、集団的自衛権行使容認閣議決定と暴走。
@ 国民的議論をしないで、閣議決定という密室での決め方も許せない。集団的自衛権は、自国が攻撃されていないのに、他国の戦争に参加するもの。これは冷戦時代の発想であって、許されない。国連に報告された集団的自衛権行使は14件あるが、1~2件を除いては、米ソなどの大国が小国に介入する理由として使われてきた。アメリカを直接攻撃して戦争をする国はあるだろうか(テロは別にして)。むしろアメリカが他国を攻撃する可能性がはるかに大きい。安倍政権はミサイル防衛というが、一発撃てば終わりではなく、戦争の始まりとなる。もしそういうことをすれば他国への攻撃と見なされる。
@ 首相といえども憲法を勝手に解釈できるものではない。立憲主義に反する。また、閣議決定をしたが関連法案が成立しなければ行使できない。行使させないために今日の政党や皆さんと共に頑張っていきたい。
@ 集団的自衛権はダメだという声は多いが、私は個別的自衛権行使もダメだと考える。そういうことにならないように努力していきたい。
(2)新社会党愛知県本部:委員長保田泉さん
@ 安保条約をめぐって、社会党と新社会党に分かれた。
@ 国連憲章では、武力の行使は行ってはならないとし、集団的安全保障措置をとることとしている。国連が集団的安全保障措置をとるまでの間、暫定的に個別的自衛権あるいは集団的自衛権を認めていることを悪用して、アメリカが集団的自衛権を名目にして他国に介入してきた(編集者が一部補足した)。
@ 閣議決定は、憲法違反である。9条があるのに、それに反することを決定するのは違法である。
@ 全国で、今日のように小政党も含めて討論の場を持つことは少なく、大変重要である。
@ イラク戦争のとき、自衛隊は人道復興支援活動を越えて米兵の輸送を行っていたから、2008年4月に名古屋高等裁判所は、(イラク特措法違反ばかりでなく)憲法9条1項に違反する、との判決を出したのである。当時の小泉首相は屁理屈を言っていたが、非戦闘地域も含めて、違憲とされたのである。
@ 新三要件であるが、イラク戦争の時大量破壊兵器があると言って戦争を開始したが、それはウソだった。こういうことを自民党は総括していない。新三要件は非常に曖昧であり、同じ事をする危惧を持つ。
@ 非正規雇用労働者は3割を超えている。国家の危機が国民の生活不安を防いでくれるように宣伝されているが、そうではない。生活不安を作って、国の平和は保障できない。まやかしを暴いていく必要がある。
@ 現在外国から日本に来る人は1100万人。そのうちアジアの人々が800万人。それらの国と平和な関係がつくられねばならない。武力ではなく、人的・物的交流によって平和がつくられる。7月1日の閣議決定は、平和を根底から覆すものである。
(3)日本共産党愛知県委員会:原発ゼロ対策部長本村伸子さん
@ 7月1日閣議決定に対して共産党はこの撤回を目指す。今後の閣議決定の具体化作業の中止を求めて皆さんと努力したい。
@ イラクへの自衛隊派遣に反対してきたが、自公の多数で押し切ってきた。国民は反対し、提訴し、憲法9条1項に違反するとの判決を勝ち取った。しかし自民党などは誰一人責任をとらず、今も政権にいて、憲法を変えようとしている。イラクやアフガニスタンへの派兵には、戦闘地域に行ってはいけない、武力行使をしてはいけないという二つの歯止めがあった。7月1日の閣議決定は、これら二つをダメにするものである。
守山と小牧の自衛隊基地には若い自衛官もいる。戦闘地域にいって戦争に巻き込ませてはならない。
@ 来春の統一地方選までは黙りを決め込んで、その後一気に立法化して戦争体制に向かおうとしている。新々ガイドラインの中間報告の中身は、「周辺事態」ということがなくなって地域的概念・制約がなくなり、地球の裏側にも自衛隊が行けるようになる。後方地域に限定というのもなくなっている。
@ 今、戦争ができる国になるのか、平和憲法を子どもたちに伝えていけることができるのか、その分かれ道にある。戦争体験者の話を聞いているが、戦争は絶対いけない、そうならないようにやってくれと言っておられる。共産党は、90年間戦争反対をいのちがけでたたかってきた。今後もたたかっていきたい。
(4)緑の党・東海:共同代表井上あけみさん(多治見市議)
@ 緑の党は昨年7月参議院選の1年前に結成した新しい党で、まだ国会議員を出せていない。緑の党・東海は、愛知・三重・岐阜を含んでいる。参議院選には比例区9人、選挙区1人、計10人が挑戦したが議席ならず、反省している。苦しかったのは、小選挙区制と合わせて10人立てないといけないこと。供託金だけで比例区600万円が9人小選挙区1人で約6000万円弱となる。イギリスでは6万円、韓国でも150万円で、日本はとても高い。
@ 緑の党の特徴は、①経済成長を目指さない。スロースロー・シンプル(日本で言うと「足るを知る」ということ)を掲げている。今後世界の中で大きい価値を持つことになると思う。②ジェンダーを重視、③クオター制、④世界の90ヶ国で活動、⑤グローバル・グリーンに私たちも加盟していること。
@ 7月1日閣議決定は、事実上のクーデターであり、安倍政権は退陣を!という声明を出した。新々ガイドラインについても疑問である。安保条約で「各国の憲法に従って・・・」とされているが、それを逸脱している。
@ 私は地方議員だが、集団的自衛権反対で全国の地方議会190ヶ所で国に対し意見書が可決提出された。多治見市でも請願が出されたが、9月に不採択となったが、同様に請願が出された可児市では解釈による憲法改定については国民の理解が得られない、遺憾であるという意見書が全員一致で可決採択されている。地方議会に請願を出す事は重要な運動と考えている。
@ 安倍政権に対して絶対たたかわないといけない、と思っている。
(5)立憲フォーラム:代表近藤昭一さん(衆議院議員)
@ 立憲フォーラムは、立憲主義を守る、憲法の立場すなわち平和主義・基本的人権・国民主権などを守っていくという立場である。政党は、必ずしもそのような立場で動いているとは言えない。民主党もいささか微妙である。私は、「原発ゼロの会」の代表もさせてもらっている。
@ 野党が、自民党に対する対抗軸を立てることができていない。旗を立てていくべきということで、立憲フォーラムを結成した。しかしまだ36名のみである。「共鳴しているが、近藤さんと一緒にやっていると『左派』と言われるので・・・」という議員がいる。「『「反原発』『憲法』というと『固まっている』と思われるから」というのである。ここには、小選挙区制の持つ問題性がある。参議院はもう少し自由である。
@ 民主党を含めて立憲主義・憲法を考える議員をもっともっと増やしていく必要がある。民主党は、立憲主義を守っていくと言う点では一致している。「96条改定」の時には一致して反対した。民主党は、「領海警備法」という法案を出している。臨時国会で出す予定である。
@ 私は昭和33年(1958年)生まれで、直接戦争を体験していない。父親が愛知時計で爆撃を受け同僚が死亡した。昭和は戦争の時代、占領の時代、高度経済成長の時代で、いろいろな変化を経験し、肌で感じてきた。今は中間層が減り格差が拡大した。こういうことも総括して次世代に伝えていきたい。
2.司会者からの発言者への質問と応答
(1)司会者(池住)からの質問
基本的なことについて、3つ出すので端的に応えて欲しい。
憲法9条の解釈変更はこれまで3回行われた。一回目は1954年に自衛隊を「必要最小限の実力」であるとして自衛隊の存在を認めたこと、二回目は1972年の政府見解で個別的自衛権行使を認めたこと、三回目は今年7月1日の閣議決定で集団的自衛権行使を容認したことである。
(1) これら3つの憲法解釈について、①自衛隊は違憲であるかどうか、②個別的自衛権行使は認められるかどうか、③集団的自衛権行使は認められるかどうか?
(2) 7月1日閣議決定に関して本村さんより「撤回させる」とあったが、他の政党・政治団体はどうか?
(3) 日米防衛協力の指針(新々ガイドライン)の最終報告が来春に出るようだが、その大前提となっている安保条約(日米地位協定を含む)についてどう考えているか?
(2)山さん
(1) ①については、いろいろ経過があるが、合憲と考えている。②の個別的自衛権も否定はしない。③の閣議決定は容認できない。
(2) 撤回を求めていきたいし、関連法案を制定させないようにしたい。
(3) 安保条約はやむを得ないが、沖縄への加重負担をやめさせ、米軍の犯罪などの矛盾をなくしたい。東アジアなど近隣諸国との交流によって安保条約の質的転換を図りたい。
(3)保田さん
(1) ①自衛隊は違憲と考えている。今はすでに軍隊となっている。②認められない。③認められない。
(2) 撤回させたい。
(3) 日米安保条約は認めていない。平和条約に変えるべきだ。
(4)本村さん
(1) ①違憲と考えている。現実を9条の方に変えていくことが必要。 ②認めている。 東北アジアの平和協力構想をつくっていこうと提案している。 ③認められない。
(3) 安保条約10条にあるようにアメリカに通告して廃棄していきたい。アメリカとは平和友好条約を締結したい。
(5)井上さん
(1) ①必要最小限を超えているので、違憲に近いと考えている。 ②は、考えを党とすりあわせていないので答えられない。③認められない。
(2) 閣議決定を撤回させたい。
(3) 東北アジア地域の平和構築を行い、安保条約を解消し、日米友好条約をつくりたい。
(6)近藤さん
(1) ①合憲と考えている(民主党も個人としても)。ただし、そのあり方としては特殊な実力部隊として合憲。 ②認めている。 ③容認できない。
(2) 党としても個人としても、撤回させたい。
(3) 立憲フォーラムとして、平和創造基本法を提唱している。みんなの力でつくり出したいし、意見を頂きたい。武力ではなく、相互信頼が必要。それにはきちんとした歴史認識が必要であり、東北アジア共同体をつくりだしていく必要がある。
3.全体での討論(敬称略)
(Aさん) 2006年の社会民主党宣言で、自衛隊違憲としたが、山さんは合憲と回答したが・・・。
(山さん) 存在自体は合憲であるが、その中身(装備や活動内容)に問題があるという立場。
(Bさん) 7.1閣議決定に反対するのは難しいと思う。今後の法案や国民保護法をどう取り上げるのか。地方議会でこういうことを議論できる状況があるかどうか。名古屋市議会では、「戦争のことは市議会と関係ない」といわれた。
(山さん:江南市) 地方議会で「軍事のことなどは関係ない」というのは自民党など保守系に多い。しかし、平和の問題は地方自治体と関係があると私は考える。何かあると動かないといけないのは地方自治体であり、関係がある。住民を地方議員とは身近な関係であり、住民の意見を議会に反映・意見具申していかなければならない。
(井上さん:多治見市) その時の議会のメンバーによって異なる。有事法制の時はしっかり議員に働きかけて、何とか妥協の産物の意見書となった。しかし今回の集団的自衛権の時はダメだった。議会の中で一人の議員でもできることはあるが、多数派を取る事は非常に重要である。議会の動向は注意が必要である。憲法改正意見書が16の県議会で提出された。
(Cさん) 今度の統一地方選は重要。近いうちに、安心・安全を守るための議員に公開質問状を出す予定。可児市の場合はどうだったか?
(井上さん) 可児市の場合は、請願が出たときに議長が弁護士に相談して勉強会をした。メンバーがどういう人がいるかによって違う。市民がどういう人を選ぶかが重要。
(本村さん) 地方議会と国政は関係している。かつて地方機関は、赤紙を配って徴兵に協力した。戦争に協力をする議員を選ぶのではなく、反対する議員を選んで欲しい。
(Dさん) 「本当は憲法よりも大切な日米地位協定入門」(創元社)を読んで欲しい。地位協定は憲法と全く違う内容。それを問題にしないといけない。また維新の会は新自由主義に染め抜かれている。
3.第二部
「安倍政権の動き阻止のために、どのような連携・共闘が考えられるか」に関する各政党・政治団体からの報告
1.司会者より
@ 自衛隊が合憲か違憲か、個別的自衛権は認められるのかどうかという点などは異なるが、7月1日閣議決定の撤回という大きな点では各政党など皆さん一致している。
@ 今後衆議院選があり得るし、参議院選は2年後にある。それらに向けて、「憲法の改悪を許さない」「反原発・脱原発」という政策実現のために、どう力を合わせることができるのか、皆さんから3分以内で発言を。
2.各政党・政治団体等からの見解
(1)近藤さん
個人的立場から述べたい。安倍政権は、日本の状況とは関係なく、議席を減らすことを少なくできる時期を選んで衆院選を行うだろう。自民党に対する対抗軸を立て、合意点を見つけ幅広い非自民の新しい政治勢力が必要である。選挙協力も必要と思う。
(2)井上さん
自民党の地方議員は、選挙の時には手足になって動く。地方選でどれだけ多くの議員がつくれるかが重要。政治スクールをして新しい人を育てようとしている。市民の声をいかす議員を増やす運動をするのが私の使命と思っている。政治を考える市民の会も、政治スクールなどをバックアップして、一人でも多くの議員を出す努力をして欲しい。
連携であるが、立憲フォーラムの「平和創造基本法」を軸にしてみんなでやっていくようなことができれば大きな力になると思う。
(3)本村さん
戦争する国づくりへの道を止めるには空前の運動が必要。一点共闘・幅広い共闘が必要。集団的自衛権には弁護士会も反対している。若人も声を挙げ始めているのは希望。官邸前で女子学生が「閣議決定されたからといってあきらめるのではなく、反対の声を広げていきたい」との声をあげるなど、フェイスブックやツイッターなどでも声は広がっている。
もう一つは選挙が重要。名古屋で緊急集会を開いた国民安保法制懇で安倍政権を倒す必要があると話され、そのためには、沖縄の知事選で圧倒的勝利をさせるんだといわれた。仲井真知事に厳しい審判を下したい。
(4)保田さん
小さな政党にとっては、選挙は非常に大変。国政選挙に関して共闘を進めていきたい。茨城県では反原発議員連盟ができたように、立憲主義でもできるといい。
共産党との共闘を10年模索してきたが、国政ではむつかしいと感じた。
(5)山さん
地方議員の立憲ネットワークは、愛知県では6月15日に、私と、名古屋の斎藤市議、安城市市議、碧南市議の4人で立ち上げた。東海地方で何をするのか、共同で街頭宣伝をするとかが考えられる。さらに仲間を増やしたい。全国では、民主党、新社会党、社民党、無所属議員で300名以上が参加している。戦争をさせない1000人委員会が愛知でも立ちあがっているが、協力していきたい。地方自治体が自衛官募集活動に協力し、中高生の個人情報を自衛隊に提供しているが、やめさせたい。
国政選挙での共闘では、憲法、原発、雇用で安倍政権に対抗できるものがあれば、個人的には一つの勢力にまとまってもよいと思う。
3.全体での討論
(Eさん) 民主党のOさんとFさんとの国会報告に行ったが、政治資金お話しは出たが集団的自衛権の話は出なかった。近藤さんから「民主党も解釈改憲に反対」と聞いてほっとした。今は、個別的自衛権に関する意見の違いにこだわるのではなく、集団的自衛権行使容認をさせないように共同してやるべきだ。
(Fさん) 近藤さんの「イデオロギーを超えてやっていく必要」というのは重要。原発のことをしているが、原発はイデオロギーではなく、「いのち」の問題。沖縄県知事選は「アイデンティティ」の問題。原発で運動しているときは「安倍政権打倒」などをいわないようにしている。原発は原発問題としてやっている。
(Gさん) 10月28日の中日新聞で福島県知事選でも原発論争が不発に終わったことに関して、反原発・脱原発・再稼働反対が多いのに選挙ではなぜそうならないのかを考える大きな記事が出ていた。東電株主代表訴訟事務局長の木村結さんは、「数が力になるので、原発だけでは集まらないのであれば、数多くある市民運動を『いのちを守る』など大きな枠組みでつなぐことはどうか」と言っていた。「いのち」なら幅広くつながれるのでは。政党だけでなく市民運動も変わる必要がある。
(Fさん) 「いのち」でつながりながら、原発にこだわってやっていきたい。
(Hさん) 社民党・共産党・新社会党・緑の党をあわせても、10%もない。小選挙区制をなくすべきだ。政党交付金も正当に使われているとは思わない。選挙で社民党は自民党と共闘するときがあるが、よくわからないが。
(山さん) 先日の福島県知事選のことと思うが、前回民主・社民・無所属県議・連合(4者)で佐藤さんを当選させた。今回、佐藤さんが不出馬となり、4者で内堀さんに要請し、出馬を決めた。その後、自民党が相乗りしてきた。社民党は、「全国連合」という連合体組織なので、党中央が決めて「それを守れ」というのではなく、地域分権型の組織。
(Iさん) 私の気持ちは極度の政治不信。政党も政治家にも不信がある。信頼できるのはS名古屋市議とK衆議院議員だけ。若者の一番の関心事は雇用の問題。賃金は私の年金より少ない。どうやって生活するのだろうか。安倍は徴兵制は言わないが、若者は兵隊に行かざるを得なくなる。
共産党に聞きたい。全選挙区に候補者を出すことをやめることはできるのか?
(Jさん) 「ジュゴンまつり」のためにビラ配りをしたが受け取りが少ない。沖縄というと中国のことを持ち出してくる。「基地はいらない。いのちが大事」と声を挙げながら風船デモをしたが、これはよかった。共産党は高江では二期目から無所属にした。今回の知事選は保守系でも推した。
(Kさん) 小さい政党が沢山出て自民党がかつ。これを打ち破るにはどうするか。社民党や新社会党などリベラルの人たちが、数年後でもいいので勝てるようなことをして欲しい。昔は共産党は普通の人との間に壁があった。今は近づいている。どうしたら統一候補が出せるのか、今日は話が進んでいない。共産党が一番エネルギーがあるとすれば、他の政党と連携すべき。
(Lさん) 共産党にいくつか不信がある。例えば原発に対して以前は反対を言っていなかった。これまでの反省すべきことは反省しないと信頼関係はできないのではないか。自分達の正当性をいうだけではなく、この重大事に大局的に考えてもらいたい。
緑の党に対しては、今、何故新たな政党なのか? 疑問である。
(Fさん) 都知事選挙後、宇都宮さんの本を読んだが、当時の考え方が間違っていたと思った。統一するのはむつかしい。有権者の方でも努力すべきだ。
(Mさん) 政党や政治はイヤ。イヤなのです。政治不信の人も引きつけることが必要。共産党も新社会党も関係ない。いのちを守ることにより引きつけて欲しい。政党は自分たちの勢力のためというのから脱却する必要がある。
4.各発言者からのひとこと
(司会)「わが党をどう大きくするか」ではなく、大切なことはどうやって政策実現ができるのか、ということ。最後に各発言者からひとこと話して欲しい。
(井上さん)政治不信の話が多く出たが、私たちもそういうことから出発した。緑の党は議論が好きだが、議論ばかりでなく、国民の心に届く言葉を見つけることが大切。安倍政権に危機感を覚えている。そのために緑の党が接着剤になれるのならなりたい。
(本村さん)選挙共闘について共産党に対する意見が多かった。政策協定ができれば共闘できる。沖縄ではやっている。共産党は原発の実用化に対して賛成したことはなく、一貫して反対してきた。
(保田さん)本村さんは政策協定を結べば共闘できると話したが、以前政策協定をしたが共闘できなかったことがある。各県での共闘を追求して欲しい。我々が、普通の人がわかる言葉で話す必要がある。
(山さん)「今の政治ではダメですね、だから共闘を」ということだが、相手は安倍。それに対抗することが必要。社民党はつぶれそうという状況だが、今日本がつぶれそうだ。内向きでなく外に向けて困っている人に寄り添ってやることが必要と、今日改めて思った。
(近藤さん)立憲フォーラム設立の意味は二つある。①超党派に呼びかけてやっている。連携していく場をつくること。②民主党の中で維新との連携を言う人もいるが、方向性が一致している政党と連携する必要がある。民主党がリベラルな方向にいくようにフォーラムをつくった。平和創造基本法案をつくったのも、いのちが大事ということで一緒にやれるようにという思いがある。リベラルな政党をしっかりつくっていく必要がある。一歩も二歩も踏み出したい。
5.まとめ:今後に向けて(河田さん)
@ 随分突っ込んだ議論ができた。集団的自衛権に関しては、一つは手続き論の問題がある。国会でロクに議論をしないで、閣議決定というのは、民主主義の崩壊。もう一つは中身の問題で、憲法(9条)がありながら、じわじわ戦争に向けて進められている。この二点では我々は一致している。他の点で違いもあるが、どうやって共闘できるのか。
@ 選挙になると共通点よりも違いを強調することになりがち。大事なのは争点づくりである。本当に必要な争点は何かを議論する必要がある。具体的にどう共闘するのか議論する必要がある。
@ 政治不信の問題。政治を変えるには国民自体も変化が求められている。そこに政治家も参加してもらって考えていく必要がある。
(以上で閉会)